根尾昂が中学生の質問に答えた
大阪桐蔭・根尾昂。その野球のプレーにとどまらず、彼の発言や考え方・行動は大きな注目を集めている。
例えば、NHKに出演した際に紹介した書籍は、大きな反響を呼び重版が相次いだ。10月のドラフト直後から、筑摩書房では文庫版「思考の整理学」の4万部の重版を決定。その後も反響が続き、11月5日にも2万部を重版。「論語と算盤」も3万部重版。
そんな根尾昂が、地元岐阜で開催された「ぎふベースボールフォーラム」(12月14日)に登壇した際、
中学生から受けた質問に対する「答え」に静かな注目が集まっている。
男子中学生が根尾に対して「勉強と野球をどう両立したのか?」という趣旨の質問が飛んだ。超満員の600人が詰めかけた会場で、根尾はこう答えたという。
中学校のころも、高校もそうだけど、なるべく家に勉強を持ち込まない。全て学校で終わらせる。勉強に時間を取るというよりは、すぐ済ませるという感じ。
学校の授業中にしっかりと「もの」にする。これは何も決して「特別なこと」ではない。中学生も高校生も、そして社会人も、誰にでも実践のできることだ。ただ、それを実直に実践しているだろう彼だからこそ、その言葉には力が宿る。
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根尾昂はどんな高校生なのか
普段の根尾昂は、どんな「高校生」なのか。
授業中の行動について、クラスメイトがこう証言している(過去野球雑誌から)。同じクラスだという吹奏楽部部長の前田さんは、
「授業中はすごく真面目で、いつもノートにバーッと書き込んでいます。教室では静かですが、野球部は(…略…)クラスでの姿とは反対というか、すごく変わるんだなって(笑)」
また、西谷監督は、根尾の授業中の態度やバス移動中の行動についてこう語った。ABCラジオのインタビューから(2018年12月)。
【質問】根尾選手、これは本当に見ていて特別な才能を持った少年、青年だと思いますけれども、3年間じっくり付き合われて、西谷監督は彼はどんな選手で、どんな男だと思って付き合ってらっしゃいますか?
【西谷】非常に向上心があるというか、とにかく学ぶ欲というのがすごくあるというか、どんなことからでも何かを吸収しようと、いろんな人の話でもそうですし、よく言われる本を読むこともそうですし、授業中の先生の数学の授業であっても、何か数学の勉強だけでなく、何か野球につなげられないかというのもありますし、(ここで学校のチャイムが鳴る)、知的好奇心が旺盛というか、なかなか今までうちにはいなかったタイプです。
【質問】移動のバスなんかでもずっと本を読んでいるらしいですね。
【西谷】そうですね、特に下級生の時もそうですけれども、遠征に行きまして、行きはみんな音楽を聞いたりで、気持ちを高めたりしていく子が多いですけど、帰りはもう終わりましたのでね、バスに乗ったらもう1分くらいでみんな口開いて寝るんですけど。私たちが運転したり、前にいたりしても、パッと見たら根尾は本を読んでいますね。
で、「何の本読んでるの?」って聞いたら、「あ、こんな感じで」っていって。それが普通になっていって、でも「もう寝たらいいぞ」というと、「はい」と言いながらもずっと本を読んでたりしていて、たまにパッと見て、根尾が寝ていたら、ちょっとほっとする、寝ていいんだぞという感じで。当たり前なんですけど、そんなふうに思うくらいの、時間をうまく使う子ですね。
大阪桐蔭 西谷監督がラジオで語ったこと|根尾昂・藤原恭大、野球部について
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小さな頃の根尾昂少年とは
小さな頃、根尾昂は、いったいどんな少年だったのだろうか。
医師の両親が、過去朝日新聞のインタビューにこう答えた。
根尾の両親はともに市内の診療所の医師で、共働きの親にかわり、地域の住民が幼少期の根尾を預かった。
母の実喜子(51)は「雪かきや子育てなど住民が助け合う町で、幼い頃から指図されることなく気長に育ててもらった。自分で考える習慣はそこで培われたのかなと思う」と振り返る。
父の浩も「勉強も含めて昂に口出しすることはなかった。考える材料を与えて、見守るだけだった」と話す。根尾は、浩が撮影したビデオで自らのプレーを見直しては、フォームなどを改めた。
中学では「温故知新」を掲げ、生徒会長を務めた。試合では攻守交代でベンチから走って守備につく際、毎回グラウンドに一礼する姿がある。
「父からは『礼に始まり礼に終わる。勝つだけの選手でなく、人としてやるべきことをしなさい』と言われてました」
野球も学びも全力 医師の両親が語る(朝日新聞から)
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将来についてどう考えるか
根尾昂という人間は、将来をどう見据えているのか。NHKの大越健介キャスターとの対談で、こう語った。
<大越>特段おだてるわけではないんですけど、やっぱり勉強も野球もとても大事だし、その上いろんな分野を知りたいという探究心を持つことも、とても大事だと思います。
今、根尾選手は野球が一番で、球界の一番高いレベルでやりたいという気持ちだと伺いましたが、どうでしょう、その先の将来を考えたことはありますか?
<根尾>うーん、野球が出来なくなってからっていうのは自分でもなかなか想像つかない所ではあります。いつ大けがするかもわからないので、
とにかく「通用する人」というか、野球がなくなった時にもどこかで通用する人間ではいたいなとは思っています。
大阪桐蔭・根尾昂×大越健介 対談真剣勝負!後編(NHKから)
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将来は「超一流」
根尾昂は「将来の自分像」について、ドラフト前後から一貫したメッセージをしている。
それは、地元岐阜に集まった超満員のファンに向けても、こう語った。
「守備でも打撃でも超一流になる」
根尾昂という人間、その言動に、多くの人が魅了される。
「根尾さん」です、ほんとうに。