大阪桐蔭 中川卓也主将が語ったこと「レギュラーを練習から外したりもしました」
第100回大会の夏の甲子園、全国制覇を果たした大阪桐蔭の中川卓也主将。
これまでの思いを特別に日刊スポーツに寄せた。
メッセージ全文
去年、自分のミスで悔しい負け方をして、そこから始まった新チームだったので、この春夏連覇という強い気持ちをもって1年間やってきたので、うれしく思います。(昨夏に)キャプテンと言われた時は「よしやってやるぞ」という気持ちと「どうやったら秋、チームを勝たせられるだろうか」ということをまず考えました。
個性的な選手が多いですが、プラスにとらえれば、どこのチームよりも勝ちたい思いが人一倍強い連中。難しさはありましたが、みんな勝ちたいという思いがあった。新チームが始まって秋の大会が終わるころまでは、ずっと考えて考えて悩んでいました。前の代で出場させてもらっていた者が多く、どこか個人に走ってしまっている部分があった。打たなかったら声を出さない、エラーをしたら態度に出す、そんなことが多く見られました。それじゃ勝てないということを思っていて、言ってはいたんですけど、なかなか行動に表すことができなくて…。
明治神宮大会のあの負け(準決勝・創成館戦での敗戦)があったから、自分たちの弱さを見つめ直すことができました。あの時期は本当に勝ちたかったので、悔しい思いがあったんですけど、あの負けがいい財産、いい経験になって今に生きてるかなとは思います。
キャプテンは嫌われてなんぼ。嫌われてこそいいキャプテンと自分の中でとらえています。みんなが言いづらいことを言うのが自分の役割だと思う。勝つためだったらどれだけ嫌われてもいいと思っていたので、最後の夏が終わった時に「中川がキャプテンで良かった」って言ってもらえればそれでいいと思いました。
レギュラーメンバーを練習から外したりもしました。打てなくて、ふてくされて、やる気がなかったとき、「1回外出ろ」と言って話をしました。本人も人一倍自分に厳しくて、レギュラーを守ろうと必死。だけど、厳しく言いました。泣いていたので「お前だけのチームじゃない。お前だけが良かったらいいのではない。お前が悪くてもチームが勝てばそれでいいねんで」と言葉をかけました。
昨夏負けた時、福井さん(17年の福井章吾主将)に言われました。「お前が折れたらチームは折れる。キャプテンが変わったらチームは変わる」と。その言葉があったので、自分も頑張ろうと思えましたし、今でも大切にしています。
自分を主将として受け入れてくれ、周りの選手には本当に感謝したいです。本当に最高で本物のチームでした。(大阪桐蔭主将)